勿忘草



「?」


私が不思議に思い、首を傾げるとそれに気づき彼はハッとした顔になると、

すかさず「いただきます」といってお弁当を食べ始めた。




私は気になっていたことを聞いてみることにした。


「…総護君って、一人暮らしなの?」



私が彼に尋ねると彼はハンバーグを口にしながら言った。


「まぁな」


「…凄いね。」



「凄くなんかねぇよ。ここは親がオーナーだから家賃払ってねぇし、家具だって勝手に揃えられた」


払ってんのは電気代とか水道代とかその外の物だけ。
彼は不満げにそう言う。



それも凄い。



マンションをオーナーなんて。


しかも揃えられた家具は高そうな物ばかり。


きっと総護君の家はお金持ちなんだろう。




「そういや明日病院行くからな。記憶喪失の原因調べねぇと」


「えぇ!!」


事も無げに告げられた彼の言葉に私は驚いた。


そして慌てて彼に言う。


「ダッダメだよ!総護君にはこれ以上迷惑掛けられない!」



彼が優しいから…


その優しさに甘えてしまう。



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