勿忘草


その問いに、寝転がりながら、アイスの棒を口にくわえていた少年は考える。



「…そうだな…」








2人に注目される中、彼は言った。







「……暑い。」





「……。」



その答えに2人は一度静止した。



「「…ぶっ!!」」





吹き出したかと思えば一気に笑い声が花畑に広がる。




涙を浮かべながら笑う2人。
それを不機嫌に眉を寄せ、なんだよ?と聞く。




なんとか笑いを抑えながら、苦しそうに少年は言った。


「ははっはっ…暑いって!」




「まさかそうくるとは思ってなかった…!」

少女は目の涙を拭いながら答える。




「だってアイス無くなっちまったから…暑ぃ」




少年が目を閉じ力なく言う。



そんな彼を見かねて、少女は鞄から何かを取り出した。



そしてそれを少年の額に押し付ける。



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