“おさななじみ”に恋をする。上【上下完結】
凌に、


「ちょっと待ってて」


そう言って、
あたしはロッカーから英語の辞書を取り出して、急いで凌に手渡した。


「さんきゅ」


みんなには滅多に見せない、透き通るような綺麗な笑顔。



凌の笑顔なんて、
小さい頃から見慣れてるはずなのに、
今だに慣れることなんてできなくて。


この笑顔一つで、
胸がキュンキュン痛いくらい締め付けられて。

この笑顔一つで、
泣きだしそうなほど、嬉しくなる。

< 14 / 928 >

この作品をシェア

pagetop