“おさななじみ”に恋をする。上【上下完結】
「え?」


その場にいた人の中で、
一番驚いたのは、
たぶん
あたしで。


「り・・・
り・・・」


長年呼びなれた“凌”の言葉さえ、
うまく口にできなくて。


凌に引っ張られる手首の熱さに、
今にも溶ける錯覚を起こし、


凌に引っ張られるまま、
もつれそうになる足を叱咤激励しつつ、
必死に凌の背中を追った。

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