“おさななじみ”に恋をする。上【上下完結】
side 凌
なんで・・・。
なんで、遥から。
男物の香水の香りがするんだよ。
どうしようもない感情が、
胸にこみ上げてくる。
遥から。
女の子独特の甘い香りがすることはあっても、
こんな香りがしたことは、今までないだろ?
こぶしを握り締め、
同時に唇をかみ締める。
知らず知らずのうちに、
割と広い店内。
“アイツ”の姿を捜し、
「チッ・・・」
見当たらないことに舌打ちして、
オレはプールサイドに足を向けた。