“おさななじみ”に恋をする。上【上下完結】
「遥から。
男の匂いがしたんだけど」


眉間にしわを寄せて、
思いっきり睨みながら、
征を見下ろすと、


「凌。
それだけじゃ、ねーだろ?」


征はオレの目の前にこぶしを突き出し、
親指とひとさし指だけで何かをつまんで揺らした。


「“コレ”のことも。
聞きたいんじゃねーの?」


征の。
オレを挑発するような瞳。

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