“おさななじみ”に恋をする。上【上下完結】
「・・・え?
・・・これ」


箱を掴んで、
唖然と見下ろす。


「遥に渡すつもりだったんでしょ?」


「・・・」


「あたし。
ウジウジした男。
大嫌い。
この際、遥を。
長谷川くんにくれてやったら?」


春山は忌々しそうに、ギュッと力いっぱいオレのネクタイを引っ張った後、


「あたし帰る」


あごをツンと上に上げ、
オレを半開きの目で睨んだ。
< 232 / 928 >

この作品をシェア

pagetop