“おさななじみ”に恋をする。上【上下完結】
すぐ目の前にある彫りの深い華やかな顔と、
ボタンをいっぱい開けた制服のシャツ。


でも。
さっきみたいな目を。


また、されたら。
・・・どうしよう・・・。


あたしは、じっとりとするような沈黙の中。


長谷川くんの首元しか見られなくて。


でも。


このままでいるのも。
・・・困るよぉ。


「・・・あ・・・の」


・・・放して。
そう言おうとしたあたしよりも先に、


「いいよ」


長谷川くんの妙に明るい声が響いて。


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