“おさななじみ”に恋をする。上【上下完結】
「え?」


パッと顔を上げたあたしに、


「いいよ」


長谷川くんはいつもの華やかな甘い笑顔で笑って、
あたしの手を放した。


「あ・・・の・・?」


「プール。
付き合うよ。
泳げるようになりたいんでしょ?」


小首をかしげる長谷川くんに、


「あ・・・。
あ・・・。
う・・・うん」


首を思いっきり縦に振る。





そうすることで、気まずくない気がして。

あたしはいつもより、動作を大きくした。

なんとかこの場を離れないと。

そんなことを考えるあたしに、


「あーあ。
やっぱり遥ちゃんは、かわいいなぁ・・・」


長谷川くんは照れることなくそんなセリフをつぶやき、


「プールの代わりに。
俺と付き合ってよ」


あごに手をあてて、サラッと言った。
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