“おさななじみ”に恋をする。上【上下完結】
「え・・と。
・・・あの・・・」


YESともNOとも言えないまま、
もごもごと口を動かすだけのあたしに、


「いいよね?」


長谷川くんは有無を言わせない口調で、
決め付けるようにそう言った。


「ぅ・・・」


長谷川くんにそこまで言われてるのに、

どうしても、

“ごめんなさい”が、あたしには言えなくて。

凌の顔がチラついてるのに。

はっきり自分の気持ちが言えない自分が、
本当に情けなくて。

こんな自分・・・もう、嫌だよ。

いたたまれなくなって、顔が歪んだ時、


「それとも・・・。
遥ちゃん。
好きな奴でもいるの?」


長谷川くんは、ちょっぴり寂しげに笑った。
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