“おさななじみ”に恋をする。上【上下完結】
「あたしもね。
メール。
同じ着信音だったから、焦っちゃった」


渡瀬くんにぺロっと舌を出してから、

前を向き直り、教科書とノートをとんとんする。


・・・でも。

悲しいかな。

あの音は、凌だけの設定だから。

・・・鳴るハズ
・・・ないもんね。


はふぅ・・・。

ため息をつくあたしに、


「でもさ。
もう一回鳴ったら、どうしようかと思ったよ」


渡瀬くんがボソッと不思議な言葉を口にする。
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