“おさななじみ”に恋をする。上【上下完結】
「辞書?」


怪訝な顔をするオレに、


「・・・うん。
・・・英語の辞書。
昨日お家で勉強して、
そのまま忘れちゃったみたい・・・」


遥は弁解するように、
おどおど答えた。


「ふーん。
じゃあ。
オレのを貸してやるよ」


そう言ったオレの言葉に、


「ほら~。
やっぱり。
凌。
持ってんじゃん」


ひゅ~っと軽く口笛を吹いて、
ダマになった髪の毛を直しながら、
宏がニヤニヤ笑った。
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