“おさななじみ”に恋をする。上【上下完結】
教室に戻って、
授業が始まっても、


“これ。
返したくないよぉ!”


そんな気持ちばかりが膨らんで、

教科書なんか見ないで、

あたしはずっと、
凌の書いた名前を見ていた。



これ、欲しいよぉ。
これ、返したくないよぉ。



辞書を前に、
自分勝手な気持ちが、
むくむく起きて。
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