“おさななじみ”に恋をする。上【上下完結】
「来ないでって・・・。
何で?
つーか・・・。
あれ?
佐藤さんじゃん?
大丈夫?」


宏が言うところの“理系で1番人気の佐藤さん”の隣にしゃがんで、成り行き上、手を差し出すと、


佐藤さんは顔を真っ赤にして、口をへの字に曲げた。



「・・・間に合ってます」


「・・・は?」


「だから。
間に合ってますってば!!」


そう言うなり、オレの手をパシっと叩いて振り払い、また元のように、廊下に突っ伏す。




・・・って。


・・・わけ、わかんねぇ。


頭のまわりに?マークが飛び交うオレに、


「・・・ほっといてよ」


突っ伏したままの佐藤さんが、気の強そうな声を出す。


あれ?
佐藤さんって。
・・・こんなキャラだっけ?


辞書借りに来た時とか。
もっと弱々しいキャラだったハズだけど?


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