“おさななじみ”に恋をする。上【上下完結】
シン・・・する個室。


人形のように感情のない顔で、横を向く長谷川くん。


息がつまるような、その雰囲気に、居心地が悪くなって、


「ちょっと・・・トイレ・・・行ってくるね?」


部屋を出た時、さっきの医師の話す声が小さく聞こえた。


「なぁ・・・。
君は、どう、思う?」


話の内容が気になって、壁にピタッとくっついたまま、角から顔をのぞかせると。


「高1の男の子っていったって。
親からしたら、まだまだ子供だろ?」


医師の、医師からただ一人の親に戻ったような、心配した口ぶり。

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