月の兎 ~ 十五夜の恋
月の兎
「でも……
お隣さんでしょ?」
「だからって
初対面には変わりない
キミはボクがどんな人間かまだわかっていないでしょ
もしボクが危険人物だったらどうするんです
実際
ボクはキミのお団子を黙って食べた盗人ですよ」
「でも……
お見知りおきをって言われましたし
婆ばが昔よく言ってました
<袖振り合うも他生の縁>
って
それに……
あたしには
お月さまと兎どんがついてますから」
お月さまを見上げて頷いた