月の兎 ~ 十五夜の恋


「キミは今日のボクを見てどう思った?」


「へっ?」


「つまり……


ボクの素性とか」


「昨晩は仙人かと思いましたが


今日は普通のサラリーマンかな……と」



千尋さんは腕を組み

難しい顔で言葉をつなぐ



「ボクは数ヶ月に一度


あんな風に世捨て人となって部屋に篭るのです」



「しゅ、修行の為、ですか?」



ちょっとかんでしまいましたが

あたしはいたって真面目に答えました


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