月夜に想う。



「おっと!」

支えてくれた満月の体は、意外とがっしりしていて、身を任せても安心できた。



「なんで?って、聞かないんだ。」

オレンジの微かな光しかない、公園のベンチに2人で座る。

「何を?」

「夜しか、窓を開けない理由。」

「うん、まあ。」



あたしは語りだした。
勝手に、1人で話した。



その間、満月は何も言わなかった。



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