月夜に想う。
「お母さんっ、ごめんね!」
溢れだす涙も拭かずに、あたしはお母さんを見つめた。
だって今、瞼を閉じるのは、もったいないから。
「まだ、1ヶ月あるじゃない」
お母さんがあたしに声をかけるも、あたしはそれに首を振った。
「もう、ないの。」
「どうして…?」
「朝日を、見に行きたいの。」
「ダメよ!」
「だって、暗いところにいても見えなくなるんでしょ?!だったら、最後くらい、あたしの名前と同じ太陽を見たいよ!」
お母さん、お母さん……
ごめんね………