~天へ送る風~


「なあに、何をするの、お母さん」


「アレキサンドラ、愛していますよ。これまでも、これからも」


 そういうと、彼女は二本の指をアレキサンドラの震えるまぶたにあて、封印術をこらした。


「アレキサンドラ、私もおまえと同じように、不完全で未熟なのです。でも、人はそのときもてる力で、精一杯のことをするしかないの」

 と言って、今度こそ力を失って、リリアの身体は弛緩した。

 以来、リリアの店に、しばらく明かりが灯ることはなかった。







「うああアー!」









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