~天へ送る風~
「そんなこと絶対ねえと思うぜ……」
城下にさしかかった頃、二人の目にあまり見ない格好をした少年の姿が映った。
金持ちなのだろうが、名前はだれも知らない。
色が白く、少女人形のようだった。
大概一人で居ることが多く、だれとも親しげにしているところを見たことがない。
だが、気が付くといつもリッキーの事を見つめているのだった。
ルイはふにおちない様子で、先を急ぐ肉付きの薄い少女の背中を見つめた。