~天へ送る風~
「リック、街の人々が馬から支度まで、そろえてくれたぞ。さあ! 北の山へ赴こうではないか!」
人々が用意してくれたという城門まで行くと。
「うわぁ、すごいごつい軍馬だあ。だれがどこでくれたっていうんだろう……わざわざ詩人のまねごとをして情報集める意味がない」
「ははっ。リックは思ったことをすぐ言葉にしたがるのだな。私もそうだ。父王には叱られるけれどな!」
「……叱られてみたい」
リックは面白いなと王子が手綱をとった。