~天へ送る風~
第六章 泉の呪い
―泉の呪い―
アレキサンドラは熱心にこくこく頷いていたが、サフィールは目を伏せた。
「では、あなたは剣を守っていた訳ではなく、呪いの力を他へ及ばせないために見張っていた、とおっしゃるのですね」
白蛇はうなだれ、
「半分は当たっているが、半分は違っている」
と、答えた。
あたりは風が枝を揺らす音だけだ。
「私とて王をお守りしたいのだ。が、私は剣に触れることのかなわぬ身。剣のささった泉のほとりから外へは出られなくなってしまった。故に洞穴から目だけで見ていた」
「剣? これが、この紫の刀身が呪いであるというのか」
「そう……その呪いの剣を抜き去ることができるのは乙女だけ。そして、それ以外、剣に封印されたものも解放されることはない」
アレキサンドラは熱心にこくこく頷いていたが、サフィールは目を伏せた。
「では、あなたは剣を守っていた訳ではなく、呪いの力を他へ及ばせないために見張っていた、とおっしゃるのですね」
白蛇はうなだれ、
「半分は当たっているが、半分は違っている」
と、答えた。
あたりは風が枝を揺らす音だけだ。
「私とて王をお守りしたいのだ。が、私は剣に触れることのかなわぬ身。剣のささった泉のほとりから外へは出られなくなってしまった。故に洞穴から目だけで見ていた」
「剣? これが、この紫の刀身が呪いであるというのか」
「そう……その呪いの剣を抜き去ることができるのは乙女だけ。そして、それ以外、剣に封印されたものも解放されることはない」