雨色キッス
「何で佐奈先輩が仕切ってるんすか?」
俺は近くにいた美少女に聞いた。
「んー…詳しくは知りませんけど…」
美少女は首を傾げた。
美少女は眼鏡をかけていた。
赤色の眼鏡が眩しい日差しで反射していた。
「…ん、そっか」
俺が立ち去ろうとしたら美少女は俺のニットをつまんだ。
げ…っ のびる←は
「佐奈先輩は昔大好きな後輩がいたらしいですよ。」
「…大好きな後輩…???」
俺はおもしろそうに笑った。
佐奈先輩が恋する男…見てみたい♪
今日はおもいっきし笑おう!!!
そのフレーズを思い出し
笑った。
また…会いたいな…
あの歌を歌っていた人。
やけに心地好く耳に響く甘い声。
今度君を見つけたら
話かけよう。
そう思った。
「…空くん??ボケーッとしてどうした?」
「明日笑えない日が来るとしたら今日はおもいっきし笑おう♪」
俺は赤眼鏡の美少女にウィンクしながら先程の歌を歌ってみせた。
「とてもいい歌詞ですね…」
赤眼鏡ちゃんは俺に微笑みかけた。
俺も微笑みかけた。