強引な王子様に夢中♪



幸せな時間は終わりの時間
へと変わってゆく


気がつけばもう見慣れた
家の前


あーあ。もう着いちゃった


あたしはこの時間が嫌いだ

陸と離れるこの時間


「んっ」

陸はそう言ってあたしに
バッグを渡し背を向けて
帰ろうとする


「じゃあ夏休みの間、元気でねっ」


名残惜しいけど必死に作った
笑顔を向けた


「じゃあな」


陸は振替っていつもは見せない
笑顔を向けてくれた


きゅんっ


陸はズルイ


最後の最後までそんな
優しいなんて


ズルイよ




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