森のクマ野郎

何も知らない


あの憎い憎い憎い悪魔は再び本を読みはじめた、私はソファに座ったままボーっとする。

辺りを見渡して暇潰しになりそうな物を探してみたり…
だけど何もない、ゲーム機はもちろん漫画もない。



彼はたかだか財閥の1人息子、そのはずなのにまるで扱いはどこかの国の王子様以上。

きっとウイリアム王子だってここまで現実離れしすぎた生活をしていないはず。つまりこの家は異常すぎる。


―――トゥルルルルルル

「あれ?なんか電話鳴ってますよ?」

「あれはメイドようだ。」

つまり私あてに電話?
自分の部屋の中から聞こえる電話をとりに急いで向かった。




「はーいもしも…」
『貴女何度言えばわかるの!?電話の受け取り方はまず自分の名前を言った後にご主人様の今の様子を報告するのよ!』

……またおばさんか。
どうやら電話のことも廊下で説明されてた時に言ってたみたい、もう本当にめんどくさい。


『ほら最初から言ってみなさい!』

「……赤川遥菜、ご主人様は今本を読んでいて特に以上は無しです。」

『それでよろしい、それよりディナーの準備が出来たわ、すぐにリチャード様を安全かつすみやかにダイニングルームへ案内してちょうだい。いつも19時ちょうどに食事がはじまるから、10分前には来るようにと説明したはずよ?』

「はい、すいません。」

時計を見ると18時55分、言われた気もしないなんてあのおばさん本当は説明してないんじゃないの?



……とか言っても実は何時間も永遠説明してたからきっと話してたんだろうな~



はぁ…


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