森のクマ野郎
「ご主人様、ディナーの用意ができたらしいです。」
「ふっ、やっとかよ。お前は1人で何も出来ねぇな?」
……は?
こいつ知ってたな?
知ってて50分を過ぎても本を読み続けたんだね?
「えーと…ご主人様、19時の10分前から移動ということを知ってたんなら是非教えて欲しかったんですけど…?」
「なんで俺様が、笑わせんな。」
確かにこいつ今鼻で笑った!
「早く行くぞ。その調子だとどうせダイニングルームへの行き方も知らないだろしな。」
「うっ…」
家の中全部説明されてたはずだけどやっぱり知らない自分、なんかすごく悔し~!
「あー楽しみだな、お前が吉乃に叱られる姿がよ?」
サドか?サドなのかこいつ…
私が怒られているところをこんなに楽しみにしてる人間なんてあんたぐらいだよきっと!
「悪魔悪魔悪魔悪魔………ぎゃっ!?」
「つべこべ言ってんじゃねぇよ!」
私のこめかみをがっつり片手で捕んだまま彼は部屋を出てたぶんダイニングの方へ向かって行く。
ものすごく痛いわけで……
しかもなんか後ろ向きな歩かされてるわけで…
てかぶっちゃけ手で前が見えないからダイニングの道を覚えることもできないわけで~
くそ~!
「まじで痛いってばー!!?」
「うるせぇ!」
「ぎゃっ!?」
また手に力を込める悪魔!
もう嫌~~っ!