森のクマ野郎
ダイニングから部屋までは3分ぐらい歩きっぱなし。
どんな家だよって感じ。



「………そういえばご主人様、朝の朝食は何時からですか?」

帰ってすぐソファに偉そうに踏ん反り返るあいつに私はさっきリーダーにも聞いた質問を問い掛けた。

「お前は本当のバカだな、説明ぐらい聞いてろ。明日は7時30分からだ。」

「………まさかとは思って聞いてみたけど、…そうやって嘘を教えてまた私をリーダーに怒らせる気だったのね性悪!!」

「まあな。」

「"まあな"って…あんたねー!?」
「それよりお前はまだ俺への言葉遣いがなってないみたいだな?」

「うぇい?」


あーまたやっちゃったー!!
何故かあいつは怒ってるはずなのに嬉しそうだったりする!

ソファから降りてゆっくりと私のほうに迫り来る悪魔の綺麗すぎる目から、私は目を離せなかった。
彼の歩幅に合わせて私も後ろへゆっくりゆっくり逃げて行く、だけど視線は外せない。

「そこまでだな、メイド」

「あっ」

いつの間にか後ろは壁、あれだけ広い部屋なのに私たちは部屋の隅にいる。

ずっと目を見ていて気付いた、こいつはまた満足げな表情を浮かべたんだ。

きっと、
こいつは楽しんでる。

本当に性格が悪い。




「そんなに私がおもしろいですか?私は貴方のおもちゃじゃない!」
「お前は俺のメイドだ。俺に逆らうことも俺から放れることも許されない、俺の言うことが全てだ。ろくにメイドとしての仕事もできない庶民のお前は俺に何ができる?」

「うっ…」

「いいか?この俺様に逆らうな。ここでは俺様が全てだ。」

「いったーッ!」



最後の言葉を言うとあいつは私にでこピンをしてから放れて行った。


そのでこピンが……


あまりにも痛すぎて私はおでこを抑えたまま動けないでいた。


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