森のクマ野郎
「時間がないわ。リチャード様が帰るまでに仕事の内容を覚えてもらわなければ…」
「ちょっと待って!それよりもなんで私なの!?」
私が言うとまたおばさんは大きく溜息をついてめんどくさそうに説明する。
「リチャード様は小さい頃から庶民とは程遠い生活をして来たわ。だけど彼は将来和泉財閥の跡を継ぐの、だから少しでも庶民というものをわからなくてはならない。」
「だからどうして私が!」
「子会社の中で最も下っ端の会社ならきっと庶民の中の庶民だと思ったからよ。」
「………まさか私のお父さんの会社が一番下っ端…?」
「そうよ、そしてその会社の娘が貴女なの。ちょうど歳も同じだし学校でもそばにいれるでしょ。貴女の親にもきちんと伝えたわ。」
「…………そう…ですか…」
もちろんわけわかんないし、たぶんこの人の言葉を理解しようとはしていない。
「それじゃあ出発しましょうか。」
………え、どうしよ