兎の穴



「…ス…」



「……………?」



「……リス…アリス」


「――!?」ガバッ



呼ばれて急に目が覚めた



「アリス、またこんな所で寝てるの?」



…姉さん



「あ、ごめんなさい。いつの間にか」



「ちょっとおてんば過ぎるわよ。あなたもう17なんだから」



「気をつけます(笑)」


「本当にもぅ~しょうがないわね(笑)」



姉さんはもうすぐお茶の用意ができるから、と言って屋敷に戻って行った



その後ろ姿を見ながら、さっき見た夢を思い出した



あれは12才のときだったかな



白兎を追いかけて気付いたら可笑しな国にいて、危うく首を切られそうになった



あの時も姉さんに起こされて、夢だったとわかったんだけど



変わった人の多い国だったなぁ……



< 3 / 5 >

この作品をシェア

pagetop