兎の穴
「…ス…」
「……………?」
「……リス…アリス」
「――!?」ガバッ
呼ばれて急に目が覚めた
「アリス、またこんな所で寝てるの?」
…姉さん
「あ、ごめんなさい。いつの間にか」
「ちょっとおてんば過ぎるわよ。あなたもう17なんだから」
「気をつけます(笑)」
「本当にもぅ~しょうがないわね(笑)」
姉さんはもうすぐお茶の用意ができるから、と言って屋敷に戻って行った
その後ろ姿を見ながら、さっき見た夢を思い出した
あれは12才のときだったかな
白兎を追いかけて気付いたら可笑しな国にいて、危うく首を切られそうになった
あの時も姉さんに起こされて、夢だったとわかったんだけど
変わった人の多い国だったなぁ……