甘い香りの、同居人。
実行委員の私は、
みんなより少し早めに
学校へと向かう。
「もうちょっとゆっくり歩けよ...」
先輩もね。
「じゃあ1人で行くもん」
意地を張る私に、
先輩はお決まりの爆笑。
この人最近笑いすぎ。
「俺、なんも食ってねーから、力でねんだわ。」
「自業自得よ」
先輩の弱音も気にすることなく、
通いなれた坂道をすたすた上る。
「だからさ、ほれ」
後ろでへなへな歩きをしている先輩は、
右手を差し出した。