甘い香りの、同居人。










あの日から...



1つ決めたことがある―――――





「うっし!いくぞ!」


「は?!なにいきなりっ」




形勢逆転。


先輩は私の手を握り返して、
坂を越えたところで


いきなり私を後ろに走り出した。




「わ、っけわかんないんだけど...」


「いいじゃんっ、きもちくねーの?」





私たちは風をかき分けながら、
息を切らして走っている。



「気持ちーけど...」




先輩が私を抱きしめてくれた時


自分に嘘をつくことの愚かさを知った―――――









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