甘い香りの、同居人。













ギシッ。







ベッドがきしむ音が鳴り響く。



「あのー...先輩。」


「先輩じゃないよ。兄貴だって」


「...放してください」





ベッドに強く押し付けられている
私の手首は、もう限界だった。




「キス。初めてだったの?」





ドクンッ―――――――――――





目を丸くして尋ねる先輩の表情は

私の心臓を容赦なく貫く。





「はい」



ここで動揺したら負けだ。




とか訳の分からない闘争心を燃やして、
私は無表情で答えた。







< 28 / 108 >

この作品をシェア

pagetop