甘い香りの、同居人。
ギシッ。
ベッドがきしむ音が鳴り響く。
「あのー...先輩。」
「先輩じゃないよ。兄貴だって」
「...放してください」
ベッドに強く押し付けられている
私の手首は、もう限界だった。
「キス。初めてだったの?」
ドクンッ―――――――――――
目を丸くして尋ねる先輩の表情は
私の心臓を容赦なく貫く。
「はい」
ここで動揺したら負けだ。
とか訳の分からない闘争心を燃やして、
私は無表情で答えた。