CREAMSODA
再会
気がつくと紗菜は原宿のベンチに座っていた。
目の前には、ローラー達がアットザホップを踊っている。
「帰ってきたのかな?
どうなったのかしら?」
紗菜は携帯を取り出し、伸二に電話をしてみるが、繋がらない、仕方がなく町屋の自宅に戻る事にする。
千代田線に乗り、紗菜は考えていた。
「夢なんかじゃないわ、お母さんとお父さんの温もりが
まだ残っているもの。」
− 紗菜のマンション −
紗菜は自宅に戻り、珈琲を飲みながらタイムスリップした出来事を振り返っていた。
「夢だったのかしら・・・・あっそうだ!」
紗菜はふと気付き、財布の中身を確認してみる
「500円玉が無くなってる!お母さんとお父さんにあげた500円玉が!」
「やっぱり夢なんかじゃなかったんだわ」
「一体あの後どうなったんだろう。
お母さんとお父さん。」
その時ドアのチャイムがなった。
紗菜は伸二かも知れないと思い、急いでドアを開けた。
すると見覚えのある二人が、立っていた。
紗菜は二人の姿を見た途端、顔をくしゃくしゃにして大粒の涙がこぼれ落ちた。
「お母さん・お父さん!」
そう二人とは紗耶と裕也だった!
「紗菜が私達を救ってくれたのよ!
ありがとう紗菜。」
「でもどうして?」
「今夜ゆっくりと話すわ!
今日これから伸二さんと綾美が来るから、みんなで夕食でも食べましょう。」
紗菜は紗耶の胸に抱かれている。
強く!優しく!
その時二人の足元には
あの500円玉が!!
紗菜は母親に強く抱きしめられている。
初めて母親の本当の温もりを感じ、涙がとまらず、このまま紗耶の胸の中にずっといたい気分だった。
その日の夜、伸二と綾美ら皆で食事をしながら、紗菜はその後の事を紗耶に聞いた。
「お母さん!あの後どうなったの?」