CREAMSODA
「紗菜さんでしたね、就職先は満足できる会社ですか?
今からでも決して遅くはありません、うちに所属してみませんか。
出来るだけのサポートはさせて頂きます。」
「私は芸能界には、興味ありません!」
紗菜は毅然とした態度で断ったが松田はしつこく食い下がる。
「夢を与えてみたくはありませんか!」
「・・・・・
もう行きます!行こう明日香。」
「気が変わったら、連絡お待ちしておりますよ!」
松田は紗菜にそう声を掛けたが、紗菜は明日香の手を引きながら、店を後にした。
「紗菜!チャンスじゃない。」
「冗談じゃないわよ、芸能の世界なんて!
最近のテレビ見てごらんなさい、お笑いばっかりで芸人さん以外の人までトーク番組で人を笑わしている。」
「でも私トーク番組好きだよ」
明日香がそう言うと紗菜は答えた。
「私は人に笑われるのはいやなの!」
「でも、もったいないよ!就職先よりは夢があるんじゃない。」
「私はやっと、お母さんとお父さんに会えたんだから。
今は三人の生活を楽しむの。」
紗菜はやっと出会えた両親との生活を一番に考え、今の生活に満足していた。
だが紗菜は運命の糸に操られるように、女優への道へ引き込まれていく事になる。