無気力少年少女
「わっ」
何も言わずに突然動き出した自転車。
危なく落ちそうになった…!
本人の言った通り、運転はめちゃめちゃ荒くて、回した腕に力を籠めて結局抱きつく形になった。
ちょっと不服だったけど、なんだか眠たくなってきて、頬を背中につけて、腕により一層力を入れて目を閉じた。
「…かわいいことしてんじゃん」
ボソッと久が呟いた言葉は無視。
仕返しにおでこで背中をドンドン、と叩いてやった。
「いてぇ」
ざまーみろ。