無気力少年少女


唇が暖かい。しっとりしたそれに包み込まれて気持ちいい。
気付けばあたしも目を閉じてた。


「それ、同意ってとるけど」

「…うん」

離れたそれは耳元で響いた。
そしてもう一度、今度はさっきより角度をつけて近づいた。

「っ」

重なった唇はさっきとは違って、包み込んで、食べるように動く。
気持ちよくて、気が緩んで開いた隙間から分け入られた。

< 34 / 41 >

この作品をシェア

pagetop