無気力少年少女


「…いたい」

「ふ、」

顔を上げた久に文句を言えば、また右の口角を上げて笑われた。
その笑顔にかちんときたから、久の首に噛みついてやった。


「いってえ」

「ふふん、ざまあ」

いい気分になって首についた歯形に指を這わせた。


「歯形?」

「くっきり」

ふふ、と笑うと這わせてた指に久のが重なった。

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