エージェント
「ーー組長っ!!」
妹尾奪還の命令が下され、各々が準備や話し合いを進める。
組長は宮前や銀に後を任せた後部屋から出て行くが、わたしらその後を追う。
「……光希か」
「あのっ、」
「お前はまだ謹慎だ」
「でも、わたしのせいですよね!?」
「なぜそう思う?」
「わたしが、妹尾コウキって、バレたからっ…」
「だから何や」
「わたしが妹尾に情報流したって思われてる…」
「お前が動く理由にはならへん」
「だけど…」
「お前は黙って見とき」
「っ……」
「ーーお前ははよう、体を治せ」
もうそれ以上何もいえず、歩き出す組長の背中を見つめるだけだった。
なんで、いま、そんな事を言うのよ…。
「……ずるい…」