エージェント






「侵入者!」
「どこからだよ!?」
「正面からに決まってるだろ!」
「なんで捕まえねぇんだよ!」
「無理だろっ、あんなの脅しだろっ!」




中がかなりピリピリした状態の中、外が騒がしくなってくる。



その様子が中まで伝わってくるが、赤羽の人間はおろか、本城の人間たちも何事かわからない。


唯一、銀之助だけは顔を崩さなかった。





そんな中、襖が大きく開く。







「ーーーねぇ、わたしも混ぜてよ」





濃紅の髪を揺らし、
狂ったような笑みを浮かべる。




その手には、拘束された本城麗子の姿もある。


「麗子、お前っ…」

「あなたっ…」



赤羽が本城に乗り込んでくる為、安全を考慮して別の場所にいた本城麗子。





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