エージェント
彼女を狙う宝を後方から銀之助が狙う。
その気配に気づいた宝は彼女や自身の母親の元には行けず、立ち止まってしまう。
彼女はーーそもそも周りを見ていない。
"自身"に銃口を向ける、ある男だけを見ていた。
「ーーー俺の女を、離せ」
彼女に銃口を向けていた本城源が、引き金を引く。
ーーーーーーーーパァンッ…
鳴り響く銃声はその場の人間の注意を“ソコ”に向けるのには十分で、ほんのりと火薬の匂いが漂う。
「ミツっ…」
「お嬢っ!?」
「光希さんっ!!」
「ーーほぅ、君も持っていたのか」
男の手から弾かれた黒い物体。
それと同じものを持つ彼女。
「お前は何だ」