エージェント
「ーー相変わらず、エゲツないっすね」
「バカ言え、こんなの朝飯前だ」
男を脅し、本城の車に乗り込む。
今から向かうのは、本城の本邸。
「光希さん…」
「お前は西へ戻れ。ここからはお前を守れる自信はない」
「嫌です。最後まで一緒に…」
「星矢」
「………ずるいっすよ」
ここからは組の人間が多くいる。
セーヤの身の保証なんて約束できるような場所じゃない。
「もし、この男に狙われたらどうするんすか」
「もしそうなったら心臓に一発、弾入れるだけだろ。至近距離で一発やれば即死だしな」
わたしがそう言って男を脅す。
もちろん冗談で言ってるわけではないので、男の額には汗が滲み出てくる。
「ーーーさあ、出発だ」