エージェント
男の運転でわたしと本城麗子は、本城の本邸へ向かう。
その車中は静か。
本城麗子はかなり怯えているが、もっと怯えろ。
もっと、恐怖を味わえ。
本城本邸に着く頃には、銀も中にいることがわかっていた。
少し騒ついているから、乱闘でも始まっているのだろうか。
本城麗子の口を塞いでいたテープを剥ぐと、彼女からは怯えと、周りに助けを求める声。
だけど彼らはその場から動けない。
動けば、彼女の、本城組組長の女の命がないから。
覚悟はできている。
わたしの目的は、あくまでも復讐。
「ーーーーねぇ、わたしも混ぜてよ」
迷うことは、一切ない。