エージェント




銀が本城 源に選択肢を迫る。

それは苦渋の選択だろう。

組のためであったとしても、この女を見殺しになんてできるわけない。




「ーーー父さん、今は母さんを助けましょう」



本城組の若頭である本城 宝。

宝さんはこの女を助ける方を選ぶ選択をするってわかっているから。


本城 源は知ってるんだ。
宝さんはどんなに境遇が悪かろうが、ずっと自分を推してくれる母親を傷つけれるわけがない。

この女が自分を推さなければ、隠れた天才である弟に自分の地位が取られることを恐れている。

だから宝さんは、朔羅のことが怖いんだ。



もしこの女に何かあれば宝さんは正常ではいられない。




わたしを見る宝さんの目つきは、以前のものと全然違う。


そう、それでこそ、組の若頭の目だ。





< 221 / 297 >

この作品をシェア

pagetop