エージェント
「あーあ。お嬢も罪におけねぇな」
「うるさい」
「ひぇー。やっぱりお嬢は、大物なるわ」
「…………」
西への帰りの車中。
なぜか途中から、妹尾と一緒の車に乗らされた。
いつも付きまとうセーヤはバイクだし、銀は別の車だし、この車にはわたしと妹尾と運転手のみ。
「わたしは妹尾のことも許してないから」
「ふーん」
「しらばっくれるなよ。妹尾、お前、わざと捕まったな?」
「なんで?」
「しかも、妹尾が狙われるように、ずっと仕向けてたんだな」
「ほほう」
「妹尾がわたしを引き取った、あの時からずっと!」
「へぇ」
「だからしらばっくれるなと言ってるだろ!」
最近の妹尾といい、組長といい。
わたしはこいつらに振り回されてばかりだ。