エージェント
「よく、わかったな」
「組長の意図がわかったから、わたしを引き取ったって言った時から怪しいって思ってたから」
「そっか、そっか」
「妹尾コウキになることで、赤羽光希を隠し続けたんでしょ。もしわたしが何かアクシデントを起こしたとしても、12年間妹尾コウキとして生き続けたんだから、そっちの情報しか殆ど無いんだから」
「まあ、そうだな」
「組長の意図ってそれでしょ」
「半分は正解。半分はまだまだ」
じゃあ、なんなのよ。
結局組長の意図なんて、本当にあるんだろうかと思う。
わたしは、誰かの上で踊らされていた?
ーーそんなはずはない。
わたしは自分の私情でも動いたし、もちろん組の方針にも従った。
「考えろ、バーカ」