エージェント
「ーー光希さんっ!!」
過去一くらい大きな声で名前を呼ばれる。
ああ、うるさい。
耳元で騒ぐな。
そんなことが言えないくらい、冷や汗がヤバくて、セーヤに倒れかかってた。
元々そんなに体調良くなかったのに、あれからもずっと放置し、むしろ街で喧嘩ふっかけられる事が多くなって、無理していたこともある。
自業自得。
「光希さんまさか、あのままだったんじゃ…!」
「……っさい」
セーヤの声を聞いてか、こっちへ向かってくる足音がちらほらと。
誰が来るかなんて分からないくらいには、意識が朦朧としていた。
ーーーああ、やばい。
そこで、わたしの意識は途切れた。