エージェント
残ったのは組長と宮前、この組の若頭である兄とわたし。
「親父、さっきのはほんまなんか?」
「何遍いうたらわかる銀之助。ほんまにそれだけや」
「宮前さんに聞いてへん。親父に聞いてるんや」
「銀…お前…」
「やなかったら、なんでここに光希を呼ぶ必要あるんや」
ーーそう、なぜわたしがいるのか。
「光希」
一切口を開こうとしなかった組長がわたしの名前を呼ぶ。
「お前に仕事だ」
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「光希っ!ちょい待てや光希!!おい、ミツっ!!」
重苦しい集会があってた部屋を抜け、長い廊下をひたすら歩く。
実家の自室は離れにあるので、歩くのに疲れる。
「聞いてへんのか!ミツっ!!」
「うるさいなぁ、銀は。聞こえてるから」
「じゃあ返事せんかい!」