幕末異聞
「ここの局長さんに入隊試験受けろ言われてな。いわゆる入隊希望者ってやつや」
「なに?近藤さん、本当か?!」
「あ…あぁ。私が受けてくれと頼んだんだ…」
近藤は気まずそうに答えた。
土方は、はぁ…とため息をついてから、気だるそうな目を野次馬の群れに向ける。
「おい!そこの入り口の奴ら!!とりあえずこの二人に手当てを!」
「は…はいっ!」
土方の指示に、隊士達は急いで散っていった。
「土方さん…あの…あ!!楓!!?楓は生きてますか!?」
「…あン?」
土方は不思議に思ったが、沖田は必死で楓の姿を探している。
「勝手に…殺すな。ボケなすが」
楓は沖田の後ろにいた。
お互いぼろぼろではあるがなんとか平気なようだ。
結局この試合、引き分けということになるのだろう。