幕末異聞
七章:新撰組
「いででででッ!!!アホ!!もっと優しくできんのか!!?」
「こっちだって必死なんですから大人しくしててください!
しかし竹刀が折れたら普通そこで試合中断するだろう!?殴り合いっておまえら…」
「ほら〜、楓が暴れるから平助が困ってるじゃないですか」
「なんやとっ…ぎゃゃゃーーッ!!ヘタクソ平助!!」
「人の話聞いてる?!
語呂がいいからって繋げて言うな!っていうか平助って言ってるし!」
「あははは!二人とも意外と相性良さそうですね!」
「「良くないっ!!!……あ」」
「ほらみなさい」
先ほどの出来事が嘘のように平和なやり取りをしている。
二人の傷の手当てを請け負ったのは壬生浪士組八番隊組長・藤堂平助。
沖田よりも一つ年下のはずなのだが、気品があり、落ちついているため実年齢よりも上にみられることが多々あった。
小柄でひ弱そうに見えるが、北辰一刀流目録という立派な肩書きを持っていた。